最新型のEVモデルとなるフィアット500の発表セレモニーは、計画ではジュネーブモーターショーの場を予定していましたが、新型コロナウィルスの影響による中止を受け、インターネット配信での披露が行われました。
FCA(フィアット クライスラー オートモービルズ)は、2013年からの4年ほど北米市場にEVフィアット車のプロトタイプとも言える「500e」(チンクエチェント・イー)をごく小規模で販売していた実績もあります。
しかし、当時の故マルキオンニCEOは「1台売るごとに1万4千ドル(約150万円)の赤字が出る」と、冗談交じりに話しつつ、そもそもEV戦略には否定的でした。
10年も経たない内に、世界の情勢は激変したとも癒えますね。
EV車の価格は、部品コストの半分以上をバッテリーが占めます。フィアット500のような小型車はコスト吸収が難しく、EV市場で先行していたのは中大型車でしたが、19年にBMWがミニEVを発売、20年にはホンダも欧州で「ホンダe」を発売するなど、ここにきて各社が相次いで小型EVを投入する傾向にあります。
EV車の小型化が推進されつつある要因は、まずバッテリー価格が下がってきたこと。
そして、EUの環境規制が段階的に強化されていくこと。その規制は2030年にはかなり厳しい条件が適用されることが決まっているので、欧州各社は販売台数の多い小型車をEV化して投入する必要に迫られているわけです。