1899年のFIAT創業から120周年にあたる2019年も半ば、次期フィアット車の最新型モデルをめぐる動向はひじょうに活発で、かつ、日に日に現実的な展開がなされています。
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は7月11日、FIATのお膝元であるイタリア・トリノのミラフィオーリ工場にEV・電気自動車の新生産ラインを設けることを発表! 翌年2020年の第2四半期(4~6月)から、次期フィアットを担う最新モデルとなる『EVフィアット500(チンクエチェント)』生産開始の計画が明言されました。
●Topic●ツインエア販売終了!
■7億ユーロの総投資、年間8万台のEV生産能力
公開されたEVフィアット500の製造ラインに設置されるロボット
2019年末までに最初のプレシリーズモデルの製造が予定されているそうです。そして、2020年3月のジュネーブモーターショーでは、新モデルの電気自動車・EVフィアット500がお披露目される予定。
このEVモデルを踏襲する形でリリースすることになるのかは不明ですが、当時のCEOだった故セルジオ・マルキオンネ氏は「500e」のコスト面での課題を口にしてましたね(赤字だから買わないで笑と冗談めかしながらEV化路線には否定的なコメントを出していたけど、ライバル牽制の戦略だった可能性も否定はできない)
当時物の500eは、1回のフル充電での航続距離が最大約140kmとのことで短く、いわゆる「電費」はまだ改善すべき課題の一つでしたが、2020年の最新版のスペックは全く不明。
ジュネーブモーターショー2019でEVフィアット・パンダのプロトタイプ『Centoventi チェントヴェンティ』も発表されたばかりですし、水面下でのプロジェクトはどんどん進められてるということですね。
つい先日には新旧フィアット500(チンクエチェント)の誕生日を祝う公式イベントの「フィアット・バースデー(FIAT PICNIC 2019)」も開催され、たくさんの日本のFIATオーナー&ファンも歴史的なアニバーサリーを祝福したばかり。
そして本国イタリアでも、記念日に合わせたタイミングで今回の重大な発表がなされたわけです。
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の現CEOマイク・マンリー氏によってもたらされたニュース、Torinoミラフィオーリ工場でのEVフィアット500生産計画はかなりのビッグ・サプライズとなりました。
(まさかこんなに早い段階でチンクエチェントの電動自動車をラインに乗せてくるとは…!)
コンセプトモデルとして発表されている『Centoventi チェントヴェンティ』で示されたインスピレーションの実現にはまだ時間がかかるとは思いますが… 実際の所どうなんでしょう?
ミラフィオーリで製造されていたアルファロメオ・ミトの生産終了に伴い、今後のEVカー製造に向けて生産ラインを大きく変更していくことになりますが、EVフィアット500の投入により工場の稼働率は高められることになり、お膝元トリノでの雇用の確保にも寄与しそうですね。
エレクトリック・チンクエチェント(500 Elettrica)は、2020年3月のジュネーヴモーターショーでの発表に向けて準備に入っているでしょうし、商用車のデュカートもEV化を目指しているそうなので、かなり大忙しの120周年です。
さらに、既に展開が示唆されているフィアット車のハイブリッド化(マイルド・ハイブリッド)もEVと並行している状態です。
フィアット・パンダ、500X(エックス)500L(エル)を含む500シリーズ、そして開発が予定されているというエステートワゴン・タイプのジャルディニエラと、次期フィアットを支える最新型モデルは枚挙にいとまがありません。
2019年から2020年にかけ、次世代型のクルマ造りへと大きく舵を切るフィアットは、まさに伝統と革新が交錯する節目と過渡期を迎える重要な局面と言えるでしょう!
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